父子抒情
短歌 岡本 嘉一郎
版画 岡本 流生
作品ナンバー 0−01
前書き
父 嘉一郎は短歌を詠む人でした。父だけではなく伯父や叔母など私の周りには歌人が多くいました。
嘉一郎は新進気鋭の歌人として、中央の専門誌「短歌研究」にも何度かその作品が大きく取り上げ
られました。しかし東京に移った頃から歌を詠まなくなり、やがて全く止めてしまいました。その理由を
父から聞く事は結局できませんでした。室蘭時代、父は職場の短歌会を主宰し、家はいつも仲間の
人達で賑わっていました。この「父子抒情」は父の室蘭時代の歌の中から、私の特に好きなものを
選び版画を添え、1974年に同人誌「在」12号に発表したものです。