版木の保管をどうするか?

木版画家は仕事をすればするほど版木の山の中に埋もれていくような・・・・・・そんな気がしています。
家中の押入れからはみ出した版木は、廊下の隅、そしてあらゆる隙間へと進出して・・・・

油断をしていると、黴にもやられて。 過去には、雨漏りのために版木を腐らせてしまった苦い経験もしています。兎に角、「版木の保管」は頭の痛い問題です。

一階の押入れ下段が黴に!

版木もすっかり黴だらけに。 油断した!

特にシナベニアの木口がひどい。

清掃の七つ道具?

BEFORE

AFTER

裏にも黴が

ラワンのベニヤは比較的被害が少ない

桜の版木にも

プチプチのシート(エアキャップシート)に包まれていた版木は、全く被害なし! 完璧に綺麗なまま。

覚悟を決めて、徹底的に版木を清掃。 

下の段は、版木を全てプチプチで梱包したものに。 その内、全ての版木を梱包するつもりです。

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版木の保管   MEMO書

1. できる事なら、一階押入れの下段は避ける。(実際には難しい)

2. すのこを敷く

3. 壁に密着させず、壁の周りに空気の通り道を確保する。

4. 時々 扇風機で換気するのも良い。

5. 版木をむき出しで保管するより、密封した方が良いようだ。 埃も付かないし。

6. 黴の生えた版木は清掃後、版面全体にエタノールを噴霧すると良い。 この時、なるべく細かい霧状の
   ガスになるような霧吹きを用いる。

7. 一年に一度ぐらいは版木を全て押入れから出し、陽射しと風を当てる。

8. 水で薄く溶いたホルマリンを、版面に刷毛引きするのも良いが、防毒マスクが必要。 摺師の組合から
   ホルマリンに代わる無害の薬品も購入できるようだ。

2011年 3月 ノルウェー国立オスロ文化歴史博物館に殆んどの版木を寄贈しました。
これで、頭の痛い版木の保存からやっと解放されました。
博物館の収蔵庫は、新設されたばかりで、素晴らしい環境です。